B面のつぶやき

美術館、図書館、喫茶店に出没しがちデイズ

東京都庭園美術館 建物公開2023 邸宅の記憶

ちょっと忙しかったので更新が止まっていました。何となく気もそぞろなのですが、楽しみにしていた展覧会に行ってきました。美しいものを愛でて魂充電(タマシイ★リ★チャージ)。

東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸を活用しています。フランス長期滞在中、アール・デコ様式に魅せられた朝香宮ご夫妻が自邸の建設にあたり、その様式を取り入れました。簡素な外観からは想像もつかないほどの濃密で洗練された内部空間です。

建物公開展は年に一度開催されています。普段の展覧会では何度も来ているのですが、公開展は何故かタイミングが合わず、今年ようやく念願叶いました。いつもは入ることができない場所や注目していない部分もじっくり見ることができます。

個人的にはバウハウス好きからアール・デコも好きという流れですが、アール・デコで用いられる題材は古代や異文化へのエキゾチシズムだったり、モダン一辺倒ではありません。特に大食堂や大客室の装飾には古典主義的な雰囲気がありました。広くて公共的な役割のある空間には相応しいということなのかもしれません。

逆に、3階のウインター・ガーデンと呼ばれる部屋は、市松模様と赤いテーブルセットにより尖り気味のモダン空間となっております。写真で見たことある。

特に目を引いたのが、照明器具の多彩さです。部屋ごとに個性的な吊り下げランプが設えられており、ついつい写真に撮りたくなります。このステンドグラスのようなカラフルな照明は、光の反射が天井に映って素敵。

入ってすぐ、どーんとそびえる「香水塔」。照明部分に垂らした香水を照明の熱で温めて香りを拡散させたという超高級アロマランプ。壁、床、照明、窓、すべてが調和しています。