B面のつぶやき

美術館、図書館、喫茶店に出没しがちデイズ

新潟→村上、駆け足の1泊2日

JR東日本の「どこかにビューーン!」キャンペーンで新潟に行ってきました。新潟は子供の頃、スキー場に連れていかれたことがあるような気がする程度の未知な土地。

1日目は新潟駅周辺を散策。古いお屋敷や博物館、美術館を巡ったり、ラーメンや笹団子を食べたり。途中で立ち寄ったカトリック新潟教会が良かった。ふたつの塔が左右対称に並んだ外観が可愛らしく、内部は壁沿いに並んだステンドグラスが輝いており、思わず胸が高鳴る。私たち以外誰もいなかったのでゆっくり堪能。パイプオルガンは昭和4年に設置されたという古いもの。音色を聴いてみたい。見学自由。

カトリック新潟教会

新潟県万代島美術館で「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」を見る。イヌイットの壁掛けはおおらか、民族衣装の刺繍は今見てもおしゃれ。現代の作品のなかで印象に残ったのは蝸牛あやという作家さん。ちなみに市内には新潟市美術館もあり、こちらは前川國男設計の建築で有名なのだけど時間が無くて断念。

2日目はレンタカーで村上市へ。村上城址、笹川流れという目玉スポットには行かず、「縄文の里・朝日」へ。ここでは奥三面ダム建設前の調査で発掘された奥三面遺跡群の出土品を見ることができる。遺跡群のひとつ、元屋敷遺跡は重文指定もされていて、そんな貴重な品々が割と素っ気なく展示されている。人面付土器や土偶など、顔が付いている物についつい目が行ってしまうのは人の性(さが)というもの。

土偶たち

ここの食堂では手打ちの十割そばが食べられる。そば定食おいしかった。館内には唐突に片岡珠子の「めでたき富士」という絵が飾ってあり、何故ここに?

奥三面ダムへ続く道路は通行止め。そういえば数日前まで大雨だった様子。今回二度目の断念。発掘現場の近くで思いを馳せたかった。代わりにその手前にある三面ダムの放水をしばし眺める。ダムも道路沿いの川も満杯感たっぷり。

その次はイヨボヤ会館という鮭の博物館。イヨボヤとは鮭のこと。村上は古くから鮭の恩恵を受けてきた土地で、鮭にまつわる歴史や鮭の生態を学ぶことができる。三面川の鮭の自然保護増殖を成功させた青砥武平治(あおとぶへいじ)という江戸時代の武士が地元の偉人らしい。その土地限定で尊敬を集めている人物を知るのは旅の味わい。

十一月十一日は鮭の日

驚いたのは種川(武平治が整備した三面川の支流)に設置された観察窓で、季節によって鮭の産卵やふ化の様子を実際に見られるということ。お金かけてるな。今の時季は小さな魚の影がちらほらという感じだった。展示品の中に「11ぴきのねこ」の馬場のぼる先生の色紙を見つけた。ねこが鮭につかまっていたりしてかわいい。漫画家ご一行が訪問した記念に残した色紙のようだった。残念ながらその他は知らない人。

残り時間は古い町屋が残る地域を散策。鮭の塩引きで有名な「きっかわ」では、吊り下がった加工途中の大量の鮭を見学させてもらう。作り物っぽいけど本物。

においが本物

最後に素敵なマダムのいる「純喫茶カトレア」の雰囲気がめちゃ良かったことを忘れずに書き添えたい。

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