北欧の画家は?と言われて思いつくのはノルウェーのムンク、デンマークのハマスホイ、フィンランドのトーベ・ヤンソンくらい。いわゆる”北欧デザイン”には親しみがあるけど、絵画などの美術作品となるとほぼ馴染み無し。
今回の展覧会はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、それぞれの国立美術館から、19世紀から20世紀初頭の作品が集められています。ムンク以外初めて聞く人ばかりだ…まぁ知っているっていても『叫び』くらいだけど。
気になった作品のなかから3つ紹介します。
ニコライ・アストルプ『ジギタリス』(1909)
画像はオスロ国立美術館から。ありがたいことにロイヤリティフリーです。
下を向いたピンクの花がジギタリスです。毒草であるジギタリスが主題ってところが既に不吉、水を飲んでいるらしい3頭の牛?が同じ格好をしているのも何か怖い。右端の灰色のぐしゃぐしゃしてるは何なのか。一方で遠くに見える青空には二重の虹がかかっている。
実際にこんな光景があったのかもしれないけど、見れば見るほど気になる絵です。
J.A.Gアッケ『金属の街の夏至祭』(1898)
こちらはスウェーデン国立美術館から。同じくロイヤリティフリー。
またまた不思議な作品。建築物の前に池と島のようなものがあり、そこにたくさんの女性(男性もいるかもしれない)が集まっている様子なのです。手前に一人座っているのはアッケの妻と解釈されています。
金属都市といっても近未来的というわけでもなく、幻想的な夢のような風景です。島の真ん中には夏至祭の象徴である柱もありますね。
アクセリ・ガッレン=カッレラ『画家の母』(1896)
同じくスウェーデン国立美術館より。この作品は著作権切れになっていました。
お母さん格好いい。そして何かを暗示しているに違いない風景。赤いふわふわは雲よね?
ガッレン=カッレラはフィンランドでとても有名な画家だそうです。国民的叙事詩『カワレラ』関連の作品を多く書いたり、フィンランド内線に従軍したり、愛国心の強い人だったことが伺えます。
国立西洋美術館に『テイケレ湖』という作品が収蔵されています。2021年のリニューアルオープンでお披露目。