B面のつぶやき

美術館、図書館、喫茶店に出没しがちデイズ

MOA美術館でふるえる

11月にMOA美術館に行ったことを、今年のうちに記事にしようと思う。

えむおーえー美術館と読む。エスカレーターで展示室に進む途中で現れる「円形ホール」がやたら映えることで有名。庭園もありカフェもレストランも蕎麦屋もあり眺望最高、もちろんコレクションも素晴らしい。

俵屋宗達尾形光琳尾形乾山酒井抱一。めくるめく琳派作品にわなわなしてしまった。こちらぜんぶお持ちで?

財を成すってこのことか。富豪おそるべし。

酒井抱一晩年の『雪月花図』(重要美術品)のピリッとくる感じ、それに比べると30代で描いた『月に秋草図』は試行錯誤しているような気がする。月と葉の墨色の置き方が効いていて、でも効かせているって感じがまだ若いな、なんて偉そうに心の中でつぶやく。

琳派作品はコレクションのごく一部。国宝も重要文化財もたくさんある。見ることのできた国宝は野々村 仁清作『色絵藤花文茶壺』。ひときわ存在感のあるお姿。

屋外のムアスクエアには、ヘンリー・ムア(ムーア)の『王と王妃』が熱海の海に向かって置かれている。世界にいくつか(7点?)ある『王と王妃』のうち、もっとも良い眺めを見ているふたりなのではないかしら。

ちょうど「十三代三輪休雪 茶の湯の造形」という企画展示をやっていた。萩市の由緒ある窯の人らしいのだけど、現代アートの作品みたいだった。いや、カテゴリなんてどうでもいいのだな。作っている人は、作りたいものを作っているのだ。

ランチは蕎麦。ご高齢の3人組(夫婦+夫の知人らしき男性)の、自分は仕事の都合で少しニューヨークに住んだことがあるんです、そうですか私は息子家族に会いに何度かニューヨークに行っているんです、というニューヨークマウントを聞きつつ啜る。

それから茶室でチケットとセットの抹茶と和菓子をいただく。抹茶を飲むたびに自分で点てられるようになりたいと思う。茶道というわけではなく、カジュアルな方向性で。

展示室に戻ってさっき見たばかりの作品をもう一度見る。俵屋宗達(絵)と本阿弥光悦(書)のコンビがもう。あんたたち最高だよ。

温泉に行かない熱海への日帰り小旅行でした。次は尾形光琳の『紅白梅図屏風』が展示されているときに行きたい。